e-journal club of 東京医大リウマチ膠原病内科


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スエーデンのInnaklaらは、210例の早期RA(発症1年以内)を2年間観察した場合の疾患活動性や関節破壊と抗MCV抗体との関連について検討している。疾患活動性を時間経過でみた場合、抗MCV抗体陽性 RA患者では炎症反応や疼痛・腫脹関節数、DAS28スコアが抗MCV抗体陰性例に比較して有意に高い状態が持続していた。一方、この報告では、リウマトイド因子や抗CCP2, CCP3, CCP3.1抗体ではこのような傾向は認められなかったことから、抗MCV抗体はRAの重症度との関連があると推察している。さらに、XP上の関節破壊に関しても、抗CCP抗体と同様に、抗MCV抗体も関節破壊進行の予測因子として作用した。
追記 酸化ストレス下で培養した滑膜細胞やRA関節液中には突然変異によるミューテーションによりアルギニンがグリシンに置換されたビメンチンが出現する。この変異ビメンチンはin vivoでシトルリン化も受けている。炎症滑膜における突然変異体はp53でも報告されている。抗MCV抗体はOrgentec社が開発したmutated citrullinated vimentinに対する自己抗体測定キットで測定できる。 

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