東京医科大学病院リウマチ・膠原病内科

ANCA関連血管炎

 好中球に対する自己抗体であるANCAが出現し、全身の小血管の炎症、障害をきたすことで諸臓器に障害がでる疾患です。病型の特徴により、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に分類されます。当科では臨床的特徴、免疫異常、病理所見を基にした迅速かつ正確な診断を心がけています。
 寛解導入治療の基本は依然ステロイドになりますが、近年のガイドライン等では、免疫抑制薬、特にリツキシマブを用いることで、ステロイドの早期減量プロトコール(PEXIVAS)、中等量ステロイドによる治療プロトコール(LoVAS)が提唱され、またアバコパン併用によるステロイド早期中止のプロトコール(ADVOCATE)も報告されています。当科ではこれらのガイドラインを参考に、ステロイド使用を最小限にしたプロトコールでの治療を推進しています。
 また、EGPAに対しては、IL-5に対する生物学的製剤(メポリズマブ、ベンラリズマブ)を活用し、ステロイドを減らしつつ再燃を予防する治療を行っています。