東京医科大学病院リウマチ・膠原病内科

炎症性筋疾患(皮膚筋炎など)

 炎症性筋疾患は、自己免疫の異常により全身の筋肉に炎症を起こし、力が入りにくくなる、歩きにくくなる、ものの呑み込みが悪くなるなどの症状がでる疾患です。また皮膚や肺、心臓などの諸臓器にも炎症を起こすことがあり、内臓の障害は重症となることもあります。
 炎症性筋疾患は、旧来の臨床症状を基にした分類(いわゆる「多発性筋炎/皮膚筋炎」)のみならず、臨床的特徴、免疫学的特徴(自己抗体など)、病理学的特徴(筋病理所見)を統合した新しい分類が可能となり、患者さんごとの病態を理解することができるようになってきました。当科では、筋病理の専門家(本学 病態生理学教室)とも連携しつつ、正確な診断を基にした治療を行っています。治療の基本はステロイドになりますが、タクロリムス等の免疫抑制薬、必要に応じてガンマグロブリン大量療法などを併用した治療を行います。
 特に抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は、急速進行性間質性肺炎をきたし、生命予後が悪いことが知られています。当科では免疫抑制剤多剤併用療法などを積極的に活用し、難治症例についても治療を行っています。