東京医科大学病院リウマチ・膠原病内科

全身性強皮症

 全身性強皮症は免疫の異常により、末梢循環の障害、組織の線維化をきたす疾患です。多くはレイノー現象で初発し、経過とともに皮膚の硬化が進展します。また間質性肺炎、肺高血圧症、消化管障害、腎障害などの内臓障害はときに重篤なことがあります。
 全身性強皮症に対する治療として、B細胞を標的としたリツキシマブが適応となりました。皮膚の硬化の改善等への有効性が報告されています。また全身性強皮症に関連する間質性肺炎に対しては、免疫抑制薬(ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミドパルス療法)や、生物学的製剤(リツキシマブなど)のほか、抗線維化薬(ニンテダニブ)を活用した線維化の進行を緩やかにする治療を行います。肺高血圧症に対しては、肺血管拡張薬の併用療法を行い、症状や予後の改善を目指します。