東京医科大学病院リウマチ・膠原病内科

全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(SLE)は免疫の異常により、多彩な症状がでる疾患です。蝶形紅斑などの皮疹、口腔内潰瘍、関節炎、腎炎、胸膜炎、神経障害(NPSLE)など自己免疫を基にした多臓器にわたる炎症、臓器障害をきたします。
SLEの治療には、かつてはステロイドを高用量で用いたうえで、ある程度の維持量のステロイドを継続することが必要でした。しかし、長期的なステロイドの副作用は、臓器障害蓄積に関与することがわかってきました。最近では、生物学的製剤や免疫抑制剤を活用することで、ステロイドを極力へらした治療を行うことが可能となっています。SLEの治療目標は、「寛解」とされています。SLEの「寛解」とは、疾患活動性を押さえたうえで、ステロイドをプレドニゾロン換算で5mg/日以下まで減量することを指します。SLEによる臓器の炎症がある場合には、初期治療としてある程度の量のステロイドを要しますが、生物学的製剤(ベリムマブ、アニフロルマブ)や免疫抑制剤、ハイドロキシクロロキンを積極的に活用し、ステロイドを積極的に減量することで「寛解」をめざし、長期的な臓器障害を防ぐことに留意した診療を行っています。
 また、SLEは若年女性に多く発症します。当科では、若い方でも病気の治療とライフステージを両立できることに配慮した診療を行っています。