東京医科大学病院リウマチ・膠原病内科

脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎など)

 仙腸関節や脊椎などの体軸関節の炎症をきたす一群の疾患を脊椎関節炎といいます。脊椎関節炎では、ほかにも腱鞘炎、付着部炎、指炎、関節炎などをきたし、また眼や皮膚、腸管等にも炎症を起こしうる疾患です。特定のHLA(HLA-B27)へとの関与が強いことが知られています。
代表的な疾患として、脊椎の強直をきたす強直性脊椎炎があります。近年では、単純レントゲンでは異常がみられないものの、MRIで仙腸関節の炎症が検出される症例(non-radiographic AxSpA)も多くなっており、一部の症例が強直性脊椎炎に進展しうるといわれています。治療としては消炎鎮痛薬(NSAID)、生活療法、運動療法が基本となりますが、疾患活動性が高い場合には、ガイドラインに準じてTNFやIL-17を標的とした生物学的製剤やJAK阻害薬による治療を行います。
乾癬性関節炎は、皮膚疾患である乾癬に関連して発症する関節炎であり、末梢の関節炎、付着部炎、脊椎関節炎など様々な関節炎をきたします。また皮疹のほか、爪の陥凹などの特徴的な所見を呈すことが診断のきっかけとなることがあります。治療としては、抗リウマチ薬を活用しますが、生物学的製剤、JAK阻害薬などを活用し、最小疾患活動性(MDA, minimal disease activity)を目指した診療を行っています。